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「何かを使う、買う、やってみる。」成功と失敗の物語

車検 ユーザー車検

車検の案内

ディーラーから車検の案内が届きました。ネットで、車種や年式など必要事項を入力して、全く同じ車の車検見積もりをしてみます。結果は、7万円から8万円くらいでした。

このような違いが生まれるわけは、「点検検査費用」の部分にあります。ここは、お店によってすべて違います。

 

さて、何事も自分でやってみよう精神の私は、過去に一度だけ「ユーザー車検」をしたことがあります。その時の経験を踏まえながらお話をしていきます。

 

ユーザー車検対象車

新車購入時から3年経過した車(※故障や劣化などが一番少なくハードルが低いと思いました。)

 

陸運局あるいは世間の認識や誤解

車の点検は自分自身で行い、点検整備簿に記入すればそれで車検を通すことができます。世間では、そのことを知らない方が多いです。また、陸運局では、すべてのユーザー車検受検者がそうしていると思っているという誤解があります。

 

自分で点検すればその分の費用はかかりません。ここで一つ車検にプラスされる費用が生まれるということになります。私の場合は、そこは費用を削らずに、ディーラーに対価を払ってきちんと点検整備してもらいました。

 

そして、車を自分で陸運局へ持っていきます。ここでまた、その費用を減額することができます。(※注/すべてがこれに当てはまるわけではありません。後で述べます。)

 

陸運局

窓口でユーザー車検の旨を伝えると、いきなりお偉いさんから叱られました。「費用を浮かせようと思って安全をないがしろにするとは全く・・・。」というような感じです。ずっとぷんぷんしていました。とても心外です。認められた制度なのに。ここでお偉いさんが誤解していることにはすぐに気が付きました。点検を素人が自分でやっていると思っているのです。そして、書類を全く見ていないことにも気づきます。誰が点検したかきちんと書かれているところを見ていません。手続きが済むまで、私は黙って反論もせずにおりました。書類に不備や不足はないので手続きはすぐにおわりました。

 

車を点検レーンに持っていく前に、車の上にとんがり帽子をのせます。「ユーザー車検」を取りに来た者の証です。勝手がわからずぐすぐすしていて他の業者さんに迷惑をかけました。点検レーンの係員の方は親切でした。

 

検査項目についてはすべて一発合格だったので事務手続きを含めてそこからは簡単でした。そうして、1回目の車検は無事通すことができました。

 

自動車整備工場

車検についてユーザーに一番認知されていないのはここの部分だと思います。

自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。簡単に言うと、認証工場は最終的に車を陸運局までもっていって検査を受けなければなりません。一方、指定工場は、車を持っていく必要はなく、書類提出だけで済みます。現在は、車検代行とか安いとかが売りの整備工場とかたくさんの宣伝を見かけます。どちらの整備工場かはすぐにわかりますね。

 

安くない方が車検を通ってしまう矛盾

今はもうすっかり見かけなくなってしまったマニュアル車。シフトノブには、1速~5速、あるいはRなどの表示があります。規定ではこの表示がシフトノブに無いと車検が通らないことになっています。

 

カーショップやホームセンターでは、その表示がない替えシフトノブがたくさん売られていました。実は私も、そのノブを使っていました。それはなぜかというと、純正シフトノブは、革製でボロボロになってしまっていたからです。(※シフトの表示は、厳密にいうと、シフトノブそのものではなくても近くに表示シールを貼るだけでもよいです。だから商品を販売することには問題ありません。でも、シールを貼っているユーザーがどれだけいたかどうか。)

 

表示がなくても、その程度ならと指定工場の車検では通ってしまうでしょう。これは、かなり昔のわかりやすい例でした。それほど安全に関わるとも思えない事例です。しかし、想像力を働かせれば、どんなことが起こりえるかはわかると思います。そして、それは、過去に何度も実際の出来事として起きています。

 

EV化

EV化がもし進むのなら、「車検」や「車に関する税の仕組み」は大幅に変更されるはずです。EVは、簡単に言うとモーターとバッテリーしかないオイル交換も必要ないなどから点検そのものが劇的に変わるはずです。また、EVやHVは、車重が重くその意味での環境負荷も高いことから重量税、環境負荷税といったものの課税or増税が必要です。その部分が車検時に組み込まれるのか別徴収なのかはまだきちんと示されていません。「エコ」という言葉だけを独り歩きさせています。

 

まとめ

どうしてその金額になるのかを知りつつも、今回もまたディーラーに車検をお願いしてしまいます。「車検の闇」とかという大衆受けするような言葉を使いたくはありません。しかし、車検や税については正しく迅速に制度改革する必要があると思います。