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「何かを使う、買う、やってみる。」成功と失敗の物語

ポイントマネージメント理論

「ポイントマネージメント」「ポイントマネジメント」と検索しても、ヒットするのは、某事務所だけです。「ポイントマネージメント」、これは、私がいつも考えていることについての言葉です。

 

ドラッカー

「マネジメントの生みの親」と言われる偉大な方です。マネージャーを「組織の結果に責任を持つ者」としています。

 

日本のスポーツ界においては、リーダーとマネージャーが混同されていることが少なくありません。

 

世界卓球女子団体

勝戦の試合を見ました。素晴らしかったですね。別な側面から見ても良いところがありました。伊藤選手初めお姉さん選手達は良きリーダーであり。監督は良きマネージャーでした。今日、「平野選手を2点起用しなかった理由」という監督の言葉が報じられていました。内容をよく読むとマネージメントが行き届いていることが良くわかります。あらゆる意味でとても良いチームだったことがわかります。

 

バスケットボール
あまり具体的に書きたくないので少しぼかして話を進めます。歴史上1度も勝ったことがない国に対して、第4Q開始時点で、20点以上のリードをしていました。ほぼ勝利の展開でした。しかし、結果は負けでした。それは、決勝戦のことでした。

 

私には、「第3Qまでの勢いで、大差で勝とうとした。」としか思えませんでした。「ただ勝つだけではなく大差で勝つ」無意識の意思が感じられました。その時、すぐに負けの予感がしました。なぜなら、そこには、「ポイントマネージメント」がなかったからです。仮に、第4Qが0対20でも試合に勝利できるというビジョンがスタート時に全くありませんでした。「遅攻一択」ただそれだけでよかったのですが。

 

バスケットボールについては全くの素人です。でも、NBAの試合は過去に数百程見ました。先ほどと同じ状況の時には、ぼぼ100%、第4Qには、時間消化に力を注ぎます。速攻できる場面でも、あえて時間を使う遅攻を選択します。そして、控えの選手を出します。結果が見えている試合で主力にけがをさせたらいけないからです。チームが違ってもHCが違ってもほとんど同じ戦術をとります。「ポイントマネージメント」は単に勝利のためのポイント管理ではなく、総合的なマネジメントの意味合いもあるわけです。

 

文化か感情か勝利か

先ほどの例のような場合、お客さんは途中で帰り始めます。バスケットボールに限らず野球でも大差がついて主力選手が交代すれば、駐車場が混む前にお客さんは途中で帰り始めます。

 

日本では、今でも、バスケットボールのような例の場合、時間消化して勝利したら「最後まで全力で戦え」と非難されるのでしょうか。「ポイントマネージメント」は「汚い手」とは違うと思います。サッカーでも残り数分の時には、あえてゴールを積極的に取りに行かない場面が多数見られます。ブーイングもあったりしますが、半ば公然のお約束とも言えます。

 

どんなスポーツもそれ以外も

競技それぞれの専門性、分野やジャンルそれぞれの専門性が問われるのは勿論です。しかし、それ以外にマネージメントの重要性があるかと思います。専門性だけではなく総合的なマネージメントが。

 

メンタルかポイントマネージメントか

メンタルが強いとか弱いとか、そのような言葉がよく使われることがあります。それを全く否定はしません。試合において好不調の波はありますし、個人的に精神状態が異なることは当然あります。

 

ここで、テニスの例を挙げます。先に3勝すれば勝利という5セットマッチで、2セット先勝した選手が、3セット目に選択を迫られることがあります。それは、どう見ても敗色が濃厚な場合、あえてそのセットを捨てるか、奮起してそのセットを取りにかかるかです。お互いの戦術、体力、あらゆることを考えてどちらかを選択します。その時は、5セット目までも視野に入れています。テニスの場合、試合中のコーチングは禁止です。従って、1選手がリーダーとマネージャーの役割を一人で担うことになります。そのような意味で、テニス選手はポイントマネージメント力がとても素晴らしいと言えます。

 

ドラッカーの定義した「リーダーとマネージャー」と私の考える「リーダーとマネージャー」は少し視点が異なります。ゲームにおけるリーダーは選手であり、監督やHCがマネージャーです。しかし、球団やチームという視点では、監督やHCはリーダーであり、GM等がマネージャーと考えます。

 

ある競技の試合があって
その競技をしているかとても好きかそのような人たちが、勝ち負け、戦術、選手、監督などについて様々な意見を述べます。当然、専門外の人はコメントなどはしません。でも、少し引いた違う人たちの目も大変重要かと思います。何も言わなくてもそれぞれ楽しめばいいと思います。

 

それは、時間の制約のある競技なのか

それは、時間を競うのか距離を競うのか

それは、ベストポイント制なのか平均ポイント制なのか

それは、上限ポイント先取制なのか加算得点制なのか評価点制なのか

それは、1セット(ゲーム)マッチなのか、複数セット(ゲーム)先取なのか

それは、1セット(ゲーム)制なのか前後半制なのかクォーター制なのか

 

とても力があるのに、ポイントマネージメントの失敗で負けてしまうと、とてももったいないなと思うことが時々あります。最近では、チーム内にメンタルヘルスコーチあるいはトレーナーがいることも少なくなりました。「もしドラ」の例は少し違いますが、発想として、ポイントマネージメントマネージャーがいたら面白いかなと思います。様々な競技の日本人選手の力は飛躍的に向上しました。それを最大限に生かせないともったいないなと、ただそう思っています。