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「何かを使う、買う、やってみる。」成功と失敗の物語

石油給湯器の果てしない物語

10数年前のことです。石油給湯器からのお湯の出が悪くなり業者さんに来てもらいました。そこでわかったことは、問題が給湯器ではなく配管にあることです。配管のあちこちでお湯がもれていたため、圧力が小さくなってお湯が出なかったのです。

 

床材をはがすとそこはもうカビだらけで、全体が湿っていました。配管は金属製で、その時点ですでに30年くらい経過していました。それで、すべての配管を取り換え、乾燥させた後、床を張り替えるという大工事になりました。

 

数年後、今度は石油給湯器まわりの金属製の配管からお湯が漏れていました。針の穴よりも小さい穴があいていました。前回と同じ業者さんにきてもらい修理しました。それはある年の年末のことでした。

 

1年後、また年末に同じことが起こりました。今度は修理の様子をずっと見ていました。銅製の配管の穴をはんだで埋めています。これだと無理かなと素人は思います。少しして、また穴があいたので、今度は自分で同じようにしてはんだ付けしてみました。

 

はんだはなかなかうまくつきません。はんだ付けがうまくいかない理由が二つあります。一つは素材の温度が上がらないことです。配管は金属製なので温めようとしても熱が伝導して逃げていきます。もう一つは素材です。普通の家庭にあるはんだはオールマイティーではありません。素材ごとに違うものを使う必要があります。

 

それでも何とかはんだ付けを終えて、気休めにビニールテープをぐるぐる巻きにしておきました。

 

そしてまた次の年末。冗談のようですが本当の話です。今度は、別な場所に、穴が複数あいてしまいました。もうこれは、配管ごと取り換える必要があります。

 

給湯機の配管がトラブるのはいつも年末で、部品の調達ができないので、何日もお風呂を使用できませんでした。とても困ったものです。

 

そうして、給湯器の配管関係の問題は解決しました。

 

 

 

給湯機には別の問題がありました。問題というよりは経年劣化です。石油給湯器を付けたときに、家中ですぐにお湯を使えるよう循環式を採用していました。給湯器に接続されたポンプで絶えずお湯を家中に循環させています。

 

このように酷使されるものですから、循環ポンプの消耗は激しいです。1台の給湯器を使っている間に3台の循環ポンプを使用しました。3台目の循環ポンプに取り替えるとき、業者さんが2台目を分解して見せてくれました。それを見てとても驚きました。ボートの船外機についているプロペラのような金属製のパーツ。消耗で激しく劣化して、もう羽の形状をとどめないくらい小さくなっていました。

 

この金属が長年溶けてお湯に混じっていたのかと思うと少しぞっとしました。飲用にはしていないのでまだいいのですが、食器洗いや洗濯には使っていました。

 

それからしばらくして、循環させることをやめ、配管の接続方法を変えました。

 

石油給湯器の最後のお話になります。

 

石油給湯器が寿命を迎えました。

何十年もお世話になった業者さんでしたが、電話して、来てもらおうとしてもなんだか応対が変わっていました。どうやら優秀な職人さんが会社を辞めたようです。それで、なかなか来てくれないので、新しい業者さんに新しい石油給湯器を取り付けてもらうことにしました。

 

そこでまた、いろいろなことを学びました。

 

給湯機には、煙突式と強制排気式があります。それまで、煙突式を使っていたのですが、脱衣場に置く場合は強制排気式の方がよいということでした。なぜなら、脱衣場は衣服などの関係でほこりがたまりやすく、それを給湯器が吸い込むのだそうです。そうして故障が起こりやすくなると。なるほど、強制排気式に決定です。

 

次に、トラブりまくった配管を、可能な限りシンプルにして、不必要なものは切断したり外したり止めたりしてもらいました。とても、配管周りがすっきりしました。

 

コロナ流行時は、各社の石油給湯器が在庫切れで、入荷の見通しも全くありませんでした。6か月以上待ちもざらでした。ホームセンターに行くと、どこへ行っても「在庫なし入荷未定」のオンパレードでした。新しい業者さんは、メーカーとのパイプが太いようで、各社のすべてのモデルを1台ずつ在庫で確保していました。それですぐに取り付けてもらうことができました。

 

新しい石油給湯器設置にあたってお願いしてみました。

度重なる水漏れにより床材が激しく痛んでいたので、手持ちの木材の板を下に敷いても問題はないかと聞きました。すると、高さ的には設置に問題がないということでしたので、すぐに板材を切断して持ってきました。そうして新しい石油給湯器の設置は完了しました。

 

いよいよ試運転。「設定温度50度、お湯の温度42度」ここで疑問がわきました。「設定温度42度、お湯の温度42度」ではいけないのでしょうか。(※それまで何十年もその設定で使用していました。)そうして、業者さんに質問すると丁寧にいろいろ教えてくれました。その時は、頭に入らなかったので、後で取説を読んだり、もう一度自分で調べてたりしてみました。

 

そして、わかったこと。「設定温度50度、お湯の温度42度」が正解。42度に設定して42度のお湯を使うことにしていると、石油給湯器が頻繁にその近辺で動作を繰り返すので機器に対して大変よくないということでした。

 

 

石油給湯器の果てしない物語で学んだこと

・水圧がない時は、機器と配管の両方を疑う。

・煙突式か強制排気式かは設置場所で決める。

・循環式は大変便利だが、機器や配管の損耗や損傷が激しい。

・「設定温度50度、お湯の温度42度」

・金属製の配管に注意。特に古いもの。最近の床下配管は樹脂製のものになっている。