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「何かを使う、買う、やってみる。」成功と失敗の物語

ザッハトルテ インターネットがなかった頃

世界にまだインターネットがなかった頃、日本では個人輸入が流行った時期がありました。

 

おおまかな流れ

まず、FAXを相手国のお店に送ります。そして、カタログを取り寄せます。海外発送対応のお店ならほとんど無料で送ってくれます。

 

カタログを見て、商品を選び、FAXで注文書を送ります。そうすると、だいたい1週間から1か月ほどで商品が到着します。

 

※商品によっては、関税が課されることがあるので注意が必要です。

 

ザッハトルテ

オーストリアにある「ホテル・ザッハー」のトルテがザッハトルテです。産みの親は100年以上前に亡くなられています。詳しくは、Wikiをご覧ください。

 

個人輸入するからには、何か「本物」をと思い、ザッハトルテを購入することにしました。日持ちするので、トルテでも問題はありませんでした。

 

こちらは、初めから「注文FAX」を送ります。航空便で送られてくることになっており、2個までは送料が同じだったので2個注文しました。

 

注文FAXを送信した翌日、午前2時ごろ、電話がなりました。何かなと思いながらあわてて出てみると、いきなり英語でぺらぺらと。寝ぼけ頭で、しかも英会話など全くできません。「バードゥン」だけを2回繰り返すと、同じ答えが返ってきました。何となくですが、「これからFAXを送信してもいいか?」と聞いているような気がしました。

 

日本語英語で、「オーケー、プリーズ」と。そうしたら、FAXが送られてきました。受注確認書でした。

 

約束通り7日後に、ザッハトルテは到着しました。海外から食べ物が直送されてきてドキドキでした。ザッハトルテは木箱に入っていました。

 

箱を開け、切り分けて、お約束の生クリームを添えて食べました。うまいとかまずいとかそんな評価をすることはなく、ただただこれが本物かという感動でいっぱいでした。

 

今日の日本のザッハトルテ

wikiにも書かれている通り、著作権等の権利の対象外なので、誰でもザッハトルテを名乗って販売できます。今日もどこかで、ザッハトルテは売られていると思います。

 

でも、ある意味美味しすぎて、それらはザッハトルテではなく、とてもおいしいチョコレートトルテです。このこともまた、wikiに書かれているのですが、全く同感です。

 

誰もその名を使って儲けようとしているとは思わないのですが、それならばその冠を付けなくてもよいのではと思います。ザッハトルテは、恐らく、多くの日本人に誤解されている食べ物かなと思います。

 

「ホテル・ザッハー」のトルテがザッハトルテなのです。

 

オーストリアのトルテ

ウィーンには、ホテルインペリアルという高級ホテルがあります。そこを象徴するもの、それは、「インペリアルトルテ」です。そして、また、ザッハトルテ同様、インターネットがなかった頃、個人輸入が可能でした。

 

ザッハトルテもインペリアルトルテも、そこで出しているまさにそのものがオリジナルです。